[  お客様コメント  |   client list  |   sample packages  |   contact us!  |   staff essays  |   local information  ]

<--- Staff Essays
<--- Water Activities

「River of No Return 」激流のラフティング5日間
By WWA Staff 三好美祢子
July 7, 2004

7月4日から8日にかけて サーモンリバー、別名「 River of No Return 」をラフティング。ここは国定 Wilderness 。スネークリバーの Hellís Canyon に次ぐ深い峡谷が続く( Grand Canyon は3番目)。 花崗岩の絶壁を縫い 720km を流れるこの激流は全くダムのない自然の川だ。 200年前 北米大陸を水路で横断を試みた Lewis & Clark の探検隊がこの川の激流をみて水路コロンビア川と合流することを諦めて険しいロッキーの動物道を苦労して降りたものだ。 その後訪れた黄金の発掘を試みた若者たち、勇敢な開拓者たち その歴史を刻む廃坑や廃屋を静かに包む峡谷。 2人の有能なガイドのもと、私は8人のグループとパドルボートやゴムのカイヤックでこの川の歴史に親しみながら100キロを4日かけて下り5日目はジェットボートで一気に出発点に戻る旅にでる。ガイドサービス会社のオーナーのウエインはリバーガイド37年の経験を持つ壮年の紳士。この川をこよなく愛する詩人でもある。彼がガイドする春秋夏の川下りに17回も参加している南部の女性がいるのもうなずける。静かで威厳があり、参加者のサービスに徹する柔らかな人当たりのウエインにグループの若い女性がつけたニックネームは「 River God! 」。クラーク ゲーブルを思わせる風格だ。

前夜からホテルに集合して夕食を共にしながら皆で紹介をしあい、翌朝から入る川の説明を受けて準備に入るのだが私は連れの新聞記者と朝ガイドが運転するバンに乗合う処から合流。サーモンリバーが Wilderness 地域に入る場所まで川沿いに45分間ドライブ。

注意事項の復習をして2人乗りのカイヤック2艘と8人乗りラフト1艘、それに資材を積み込んだスイ-プボート1艘で出発。豊かな水量で流れるサーモンリバーに入る。晴天。 川下からの微風を受けながらパドルを漕ぐ。巨大な岩が流れを狭め水面下に重なっている岩岩が水面の波を作り白波を立て逆流のホールを作る。 ガイドの掛け声で波をまともに被りながらもスマートに早瀬をこなす。 後ろにつづくカイヤックも波の合間からヘルメットを輝かせながら流れてくる。カイヤックに乗っているのはフロリダ州に住み競艇で世界記録を作った40代の男性と14歳の息子のチームだ。もう一艘のカイヤックにはワシントン州に住み、夏季キャンプの指導員だった元気な女性とボーイフレンド。明るい笑い声が冷たい水を跳ね返している。ウエインはスイ-プボートの中央に立ちボートの前後につけた大きな二つのオールを全身で操りながら煌めく水面を滑る。覆い被さるように急斜面を緑に彩る針葉樹や黒々と切り立つ花崗岩の両岸。彼の白いポロシャツが太陽に輝き まるで一幅の絵のようだ。 やがて白砂の松林で昼食。 2人のガイドはまず足を取り除いた白い肘掛け椅子をスイ-プボートから取り出し白砂に並べる。 そしてテーブルを出し、テーブルクロスを被せて使い捨てのビニールの手袋をつけ、バイキングスタイルの食事を用意する。 私たちはクーラーから好きな飲み物を各自選びテーブルに並ぶ果物や野菜のオードブルをつまんで、用意が出来るまで白砂に足を投げだし椅子に寛ぐ。やがて野菜が盛り沢山のトレイ、ローストビーフ、ハム、サラミなどのソーセージを綺麗に並べたコールドミート皿、色とりどりのチーズを盛ったチーズ皿、様々なピクルスやマスタードなどの瓶が並ぶ。 

食事の用意が済むとガイドたちはトイレの用意をする。 遠くの松2本の間に幕を張りその後ろにポータブルのトイレを設置する。トイレに行く道に入る場所に水を入れたバケツ、その傍に台を置いて赤い缶、蓋と取っ手がついた青い缶、消毒石鹸液が入ったボトルが並べてある。赤い缶の下部に穴が一つ開けてある。 先ず青い缶をもって幕に入る。缶にはトイレットペーパーが入っている。トイレの傍には消毒、消臭の粉が入った大きなフリカケボトルが置いてある。 用が済むと缶を持って台に戻り赤い缶にバケツから水を取り台の端に置き 水道の水のように出る水で液をつけた手を洗うシステムだ。 青い缶が見えなければトイレは使用中。 

私たちグループ以外には誰もいない広い松林。 国定野生地だから一日に川に入る人数に制限がありキャンプをする場所も予定を予約しておく。 一つの砂浜に決して二組は入らない。そういえばラフティング最中も他のボートには殆ど出合わない。 たまに白砂に休むグループを見かけると手を振る。川が数10メートル毎に回りくねり 絶壁にさえぎられて私たちだけの空間を作り出すので まるで私たちだけの川の様だ。      

小休止をして又川に繰り出す。 小さな滝を歓声をあげて下り次々に急流をこなす。 カイヤックの乗り手を交代して息子の変わりに新聞記者が乗っていたが急流で放り出されてしまった。 直ぐに皆でカイヤックに拾い上げた。『大丈夫!』と又挑戦。次の早瀬は無事に乗り越えたが続く早瀬で又放り出されてしまった。 今度は悠々と水中から空を見上げている。水は冷たいのに「気持ち良かったよ」と満更やせ我慢でもなさそう。

キャンプする砂浜にボートを上げて 2人用のテントを渡された。 ガイドが一つのテントを張るのを見て覚え、思い思いの場所に夫々自分達のテントを張る。私は新聞記者と草原にテントを張る。通り雨が少し地面を湿らせて通り過ぎる。 空気マットを敷き寝袋を広げる。 新聞記者は遠慮したのかテントのすぐ外に寝床をつくり星空の下で寝るという。 ガイドは昼の要領でテーブルの上にオードブルを並べ、長方形の鉄製箱の中に流木のキャンプファイヤを焚いている。 砂浜を汚さないように箱の中でのバーベキューを始める。 長さ 45cm, 直径 20cm< 位のポークロイン2本が網の上に並ぶ。時折ビールを肉の上に垂らして塩コショウで調味している。 大きな鍋ではコーンが人数分入って湯だっている。大きなボールに野菜サラダと蟹カマと玉ねぎをマヨネーズで和えたサラダが並ぶ。ワインとグラスも並ぶ。キャンプファイヤを椅子で取り囲み各々「野生地だよ、此処は!」と驚嘆の声をあげてご馳走を平らげた。 「今日は建国記念日だから特別デザートだよ」とガイドの奥様が作った白いフロスティングのケーキの上にガイドたちがブルーベリーで星を、ストロベリーの立て切りでストライプを飾り星条旗のケーキを持ち出した。花火の代わりにストローブで七色に輝く「センコ花火」を夫々手渡される。 散々遊んだあと ウエインがアラスカ開拓者の抒情詩を語る。ページにすると8ページにもなる詩の朗読。詩の心もさる事ながら暗誦力に皆ドギモを抜かれる。 明日は彼自身の詩を披露して呉れる約束をする。やがて夫々にテントに入る中、 降りしきる星空の下で早くも新聞記者は軽い寝息を立てて眠っていた。大きく広がる夜空にお馴染みの七斗北星, 白鳥座、天の川などが煌めく。 翌日からはテントを張らずに私も星を眺めて寝る事にする。せせらぎの音、夜鳴き鳥の声を聞きながら眠りにつく。 

テントがうっすらと明るくなる頃眼を覚ます。フリースのズボンとジャケツを着てテントを出る。東に重なりあう絶壁の頂はうすぼらけ。岩に腰を掛けて太陽が顔を出すのをじっと待つ。川の音、鳥の声。 何故かひっそりと太陽を待っているようだ。 やがて光線が走り西側の絶壁を明るく染める。 そして徐々に明るさが広がり私の座るあたりも照らされた。 暖かい! 私が鳥だったら羽を広げ、鹿だったら総毛を震わせてこの暖かさを受け止めていることだろう。 私は羽ならぬ両手を挙げて太陽のぬくもりを取り入れる。ガイドが用意しているベーコンやコーヒーの匂いが漂ってくる。

川下りはこのようにして4日間続く。 岩を攀じ登ったところに流れでた温水がたまり10人くらい肩までつかれる温泉プール、廃屋を訪れその歴史を顧みるハイキング、主のいない林檎園では青い固いリンゴを噛み、熊や鹿、 Big Horn Sheet やマーモットに出合いながら自給自足で生活をしていた人たちのサーモンリバーを満喫する.私もカイヤックを操ったがパートナーのおかげで水中に放り出される事無く、濡れ鼠になりながら爽快に乗り越えた。

5日目はエッグベネディクトの朝食後迎えに来たジェットボスートに乗り込み出発点まで約4時間飛ぶように走る。 そしてガイドのバンでホテルへ帰還する。 皆はそこでシャワーを浴びて休み、レストランでガイドと最後の夕食をして翌朝別れるのだが 私たちはホテルで別れ、2時間あまりの道を飛行場のある町までドライブしてやっとシャワーのあるホテルに到着する。 サーモンの町は Lewis & Clark を助けて貢献のあったショショニ族の少女サカジャウイアの生誕地。彼女の記念館に立ち寄る。彼女については別の機会に紹介したい。 ホテルには思いがけなくリードが迎えに来てくれていた。 私たちは疲れ果てて夕食はスープだけ。素晴らしかったラフティングの5日間を振り返り心地よいベッドで眠りについた。

三好美祢子
Director, Wild West Adventures, Inc.
Executive Director, Teton Valley Chamber of Commerce
山口県出身
アメリカ在住 40 年
連絡先: P.O. Box 971 Driggs, ID 83422 U.S.A.
wwa@pdt.net


Copyright © 2005 Wild West Adventures, Inc.